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東京地方裁判所 昭和45年(ワ)9471号 判決

原告

松並悦子

外一二名

右法定代理人親権者母

松並悦子

右原告ら訴訟代理人弁護士

金子光一

被告

鹿島運輸合資会社

右代表者清算人

根本幸英

被告

鹿島運輸株式会社

右代表者

根本幸英

被告

根本幸英

被告ら訴訟代理人

宮本孝平

主文

被告らは各自左記の原告に対し左記の金員およびこれに対する昭和四五年一〇月四日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

原告らその余の請求を棄却する。

訴訟費用はこれを五分し、その一を原告らの、その余を被告らの各自負担とする。

この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

原告松並悦子     三四六万円

原告松並弘美     三五三万円

原告紺野幸子     三五八万円

原告紺野敬子、同敬幸 二六三万円

原告武田常次、同マツ 三〇〇万円

原告後藤史、同宰、同三男、同三郎、同寛雄、同黒木ツネ子  六二万円

事実

第一  当事者の求める裁判

(原告ら)

一  被告鹿島運輸合資会社、被告鹿島運輸株式会社、被告根本幸英は、各自左記のとおり各原告に対し左記金員および右各金員に対する昭和四五年一〇月四日から支払ずみに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

(1) 原告松並悦子に対し金四〇一万円

(2) 原告松並弘美に対し金四六三万円

(3) 原告紺野幸子に対し金四一〇万円

(4) 原告紺野敬子、同紺野敬幸に対し各金三一五万円

(5) 原告武田常次、同武田マツに対し各金三三五万円

(6) 原告後藤史、同後藤宰、同後藤三男、同後藤三郎、同後藤寛雄、同黒木ツネ子に対し各金八六万円

二  訴訟費用は被告らの負担とする。

との判決並びに仮執行の宣言

(被告ら)

原告らの請求を棄却する。

との判決

第二  当事者の主張

(原告ら)

一  事故の発生

昭和四五年三月二二日午前六時五〇分頃千葉県市原市岩崎一〇六四番地先の交通整理の行われている交差点において、訴外後藤繁純運転の乗用車(茨城五め五四六一号以下甲車という)が信号待ち後、進め」の信号に従い五井南海岸方面に向け同交差点に進入したところ、おりから訴外野崎佳夫運転のダンプカー(浜松一い一二三四号以下乙車という)が、「止れ」の信号を無視して千葉方面に向け同交差点に進入して来たため甲車の側面と衝突し、訴外後藤繁純ほか甲車に同乗していた訴外松並弘、同紺野敬、同武田純男はいずれも脳挫傷により即死した。

二  責任原因

被告らは、それぞれ次の理由により、本件事故により原告らに生じた損害を賠償する責任がある。

(1) 被告塩島運輸合資会社及び鹿島運輸株式会社は各その営業目的であるところの貨物運送業のため乙車を使用し、自己のため運行の用に供していたものであるから自賠法三条による責任。

(2) 被告根本幸英は、同鹿島運輸合資会社の無限責任社員であるところ、本件事故後である昭和四五年六月二〇日付をもつて右合資会社の解散をしたとの登記手続を了し(同月二七日)、次いで同月二九日付をもつて清算を結了したとの登記手続を了した。よつて右合資会社は事実上の清算により原告らに対する債務につき弁済するべき会社財産を有しないので商法八〇条一項の責任。

予備的に、被告根本幸英は、鹿島運輸合資会社及び鹿島運輸株式会社のワンマン経営者であるとともに、被告野崎佳夫外他の従業員を直接指揮監督していたものであるから、民法七一五条二項の責任。

三、損害

(一) 原告松並関係

(1) (逸失利益)

訴外松並弘が死亡によつて喪失した得べかりし利益は次のとおり一〇、四五六、〇〇〇円と算定される。

(イ) (死亡時)二七年三月

(ロ) (稼働可能年数)三二年右訴外人は、土木工事を主たる営業目的とする大仁建設株式会社(株式会社青木建設の子会社)に勤務する建設機械のオペレーターであつて、同会社の就業規則によれば満六〇才をもつて停年退職としているから、通常の健康体である右訴外人は本件事故に遭遇しなければ以後少くとも三二年間は就労可能であつた。

(ハ) (収益)

一、一一三、五八六円也右訴外人の事故前一年間(自昭和四四年一月一日至同年一二月三一日)の給与及び賞与の総額は右金額であるから将来少くともこれだけの収益を得ることができる。

(ニ) (控除すべき生活費)

右訴外人の生活費としては生涯を通じ多く見積つても右収入の二分の一、すなわち一年間の生活費は五五六、七九三円を越えることはない。

(ホ) (毎年の純収益)

五五六、〇〇〇円(千円未満切捨)

(ヘ) 本件事故時における逸失利益の現価を年毎ホフマン方式で年五分の割合による中間利息を控除して計算した結果は次のとおりである。

金一〇、四五六、〇〇〇円(千円未満切捨)

(ト) (相続分)

原告松並悦子、同松並弘美は右訴外人の相続人の全部である。よつて原告悦子はその配偶者として、原告弘美はその子としてそれぞれ相続分に応じ右訴外人の賠償請求権を相続した。その額は悦子において三、四八五、〇〇〇円(千円未満切捨)、弘美において六、九七〇、〇〇〇円(千円未満切捨)である。

(2) (葬儀費)

原告松並悦子の支出した葬儀費は総額において二〇万円を下らない。

(3) (慰藉料)

右原告ら慰藉料その精神的損害を慰藉するためには原告悦子に対し二〇〇万円、原告弘美に対し一〇〇万円が相当である。

(4) (損害の填補)

右原告らは強制保険金から既に五〇〇万円の支払いを受けこれを右相続分に応じ右損害額に充当した。

(5) (結論)

よつて右原告ら各自の請求金額は、原告悦子において四〇一万円(万円未満切捨)、原告弘美において四六三万円(万円未満切捨)である。

(二) 原告紺野関係

(1) (逸失利益)

訴外紺野敬の死亡による逸失利益は次のとおり算定される。

(イ) (死亡時)三二年八月

(ロ) (稼働可能年数)二七年

前記大仁建設株式会社のオペレーター、通常の健康体

(ハ) (収益)

一、四五五、八二四円(昭和四四年の年間給与賞与の総額)

(ニ) (生活費)七二七、九一二円

(ホ) (毎年の純収益)七二七、〇〇〇円(千円未満切捨)

(ヘ) (事故時の逸失利益の現価)

一二、二一六、〇〇〇円(千円未満切捨)

(ト) (相続分)

原告紺野幸子、同紺野敬子、同紺野敬幸は右訴外人の相続人の全部である。よつて原告幸子はその配偶者として、原告敬子、同敬幸は各その子としてそれぞれ相続分に応じて右訴外人の賠償請求権を相続した。その額は、右原告において各四、〇七二、〇〇〇円である。

(2) (葬儀費)

原告紺野幸子の支出した葬儀費の総額は二〇万円を下らない。

(3) (慰藉料)

右原告らの精神的苦痛を慰藉するためには、原告幸子に対し一五〇万円、原告敬子、同敬幸に対し各七五万円が相当である。

(4) (損害の填補)

右原告らは強制保険から既に五〇〇万円の支払いを受け、これを右相続分に応じ右損害に充当した。

(5) (結論)

よつて右原告ら各自の請求金額は、原告幸子において四一〇万円、原告敬子において三一五万円、原告敬幸において三一五万円である。(いずれも万円未満切捨)

(三) 原告武田関係

(1) (逸失利益)

訴外武田純男の死亡による逸失利益は次のとおり算定される。

(イ) (死亡時)二四年五月

(ロ) (稼働可能年数)三五年

前記大仁建設株式会社のオペレーター、通常の健康体

(ハ) (収益)

九五四、三五五円(昭和四四年の年間給与、賞与の総額)

(ニ) (生活費)四七七、一七八円

(ホ) (毎年の純収益)四七七、〇〇〇円

(ヘ) (事故時における逸失利益の現価)

九五〇万円(千円未満切捨)

(ト) (相続分)

原告武田常次、原告武田マツは右訴外人の父母であつて相続人の全部である。よつて原告常次、同マツは各四七五万円づつ相続した。

(2) (葬儀費)

右訴外人の葬儀費として少くとも二〇万円を支出し、右原告らは各一〇万円づつ負担した。

(3) (慰藉料)

右原告らの精神的苦痛を慰藉するためには右原告各自に対し一〇〇万円ずつが相当である。

(4) (損害の填補)

右原告らは強制保険から既に五〇〇万円の支払いを受けこれを右相続分に応じ右損害に充当した。

(5) (結論)

よつて右原告ら各自の請求金額は、原告常次において三三五万円、原告マツにおいて三三五万円である。(いずれも万円未満切捨)

(四) 原告後藤関係

(1) (逸失利益)

訴外後藤繁純の死亡による逸失利益は次のとおり算定される。

(イ) (死亡時)三〇年一月

(ロ) (稼働可能年数)二九年

前記大仁建設株式会社の現場所長、通常の健康体

(ハ) (収益)一、一三〇、八六〇円

(ニ) (生活費)五六五、四三〇円

(ホ) (毎年の純収益)五六五、〇〇〇円(千円未満切捨)

(ヘ) (事故時の逸失利益の現価)九、九六〇、〇〇〇円(千円未満切捨)

(ト) (相続分)

原告後藤史、原告後藤宰、原告後藤三男、原告後藤三郎、原告後藤寛雄、原告黒木ツネ子は、右訴外人の兄姉であつて相続人の全部である。よつて右原告ら各自は各一六六万円づつ相続した。

(2) (葬儀費)

右訴外人の葬儀費として少くとも二四万円を支出し、右原告らは各四万円づつ負担した。

(3) (損害の填補)

右原告らは強制保険から既に五〇〇万円の支払いを受け、これを右相続分に充当した。

(4) (結論)

よつて右原告六名各自の請求金額は、各八六万円づつである。(万円未満切捨)

四、よつて原告らは、被告鹿島運輸合資会社、被告鹿島運輸株式会社、被告根本幸英に対しては前記三、の(一)(5)(二)(5)、(三)(5)、(四)(4)の各損害金とこれに対する本訴状送達の翌日から支払ずみに至るまで民事法定利率年五分の割合による金員の支払いを求める。

五、被告主張第四項について

被告鹿島運輸株式会社は、被告鹿島運輸合資会社の営業を譲受け商号を続用しているから商法第二六条により右合資会社の本件損害賠償債務についてその弁済の責に任じなければならない。

すなわち、被告鹿島運輸株式会社と被告鹿島運輸合資会社間の営業譲渡契約は、昭和四五年六月一六日発効し、合資会社は同月二〇日解散して営業を廃止し、他方株式会社はその営業を継承した。そして株式会社はその商号の主要部分であるところの「鹿島運輸」を続用しているばかりでなく、両会社の主宰者、営業場所、従業員を同じくしている。従つて前記のとおり商法第二六条第一項に該当する。

(被告ら)

一、事故の発生

事故の発生は認めるが、その態様は否認する。

二、責任原因

否認

1 被告鹿島運輸合資会社は(以下被告合資会社という)本件自動車の使用者であつたが、原告主張の日時、場所において運転していた野崎佳夫なる者は被告合資会社に一面識もない第三者であるから、その時点では被告合資会社は運行供用者ではなかつた。

すなわち、訴外野崎は、被告合資会社の従業員折笠久馬のあつせんで、訴外新建工業株式会社の注文する砂利の運搬を訴外新建工業の車を借りて行つていたが、すでに訴外折笠が砂の積込を行つていた被告合資会社使用の車を積込の手間をはぶいて運送賃を得ようとして、同人の隙を見て勝手にこれを目的地に運転し、その途中本件事故を惹き起したものであるから、被告合資会社は右運行につき運行利益・運行支配を失つているものである。

2 被告鹿島運輸株式会社は、本件自動車を使用したことはない。

すなわち、被告合資会社は昭和三九年一月六日設立され昭和四五年六月二〇日解散したものであるが、被告株式会社は昭和四二年七月三日設立されたものの運送事業の免許が得られず、単なる登記上の会社として存在していたものにすぎず、昭和四五年六月一六日免許を受けて事業を営むようになつたものであるので、本件事故当時、加害ダンプカーにつき運行支配・利益を有していたものではない。

3 被告根本幸英(以下被告根本という)が被告合資会社の無限責任社員であつたこと、同会社の解散、清算の点は認める。原告の予備的主張事実は否認する。野崎佳夫なる者は被告根本と一面識もなく、勿論従業員であるはずがない。

三、損害

不知

第三  証拠関係<略>

理由

一原告ら主張第一項の事実(態様を除く)は当事者間に争いがなく、事故の態様については、証人下谷好辰の証言、弁論の全趣旨から原告ら主張のとおりと認められる。

二そこで次に被告らの責任について判断をする。

<証拠>によると、次の事実が認められる。

すなわち、本件加害車は、被告鹿島運輸合資会社が訴外静岡三菱ふそう自動車販売株式会社から購入してその用途に使用していたこと(なお、自賠責保険は同合資会社の名前で加入していた。また、同合資会社は訴外大正海上火災保険株式会社との間で任意保険契約を締結したが、その保険証券には、合資会社と表示すべきところ誤つて「K・K」と表示された)、被告合資会社は従業員折笠久馬をして訴外新建工業の砂利の運搬を行わせており、本件加害車は折笠の使用に任かせていたこと、訴外野崎は幾多の仕事場を転々としている運転手であり、新建工業株式会社の従業員ではないが、新建工業の仕事をしている時に、被告合資会社の従業員である折笠久馬と知り合いになり折笠の住居の近傍に止宿している者であるところ、新建工業の砂利は必ずしも、指定された運搬先に運ばなければならないものではなく、運搬者は新建工業に対し砂利の代金を払いさえすればよかつたので、運搬者は自己の裁量でより有利に購入してくれるところへ持つて行つても差しつかえなかつたこと、訴外折笠は野崎に対しいい運び先があつたら世話をしてくれと頼んでいたこと、加害車のエンジンキーはドアの脇ポケットに入れてあり、野崎が随時これを使用することが可能な状態におかれていたこと、加害車は夜間も折笠の自宅近くに路上駐車のままにしてあり、本件事故の前夜は砂利を積んであつたこと、野崎の運搬により砂利が予定よりも高く売れた場合には、高く売れた分だけ、野崎と折笠とで利益を分け合うことになつていたことなどから、野崎は、本件事故当日の早朝折笠より明示の諒解を得たかどうかは明らかでないが、ともかく本件事故車積載の砂利を他に有利に販売しようとして本件事故車を運転し、よつて前認定の事故を惹起した。

以上の事実が認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

右事実によると被告合資会社は加害車の保有者であり、その従業員折笠久馬にかなり広範な範囲の権限を託し、加害車を同人の裁量で運行に供することを認めていたものであるが、被告合資会社は折笠の裁量によつて加害車が使用されることにより、運送賃を同人の手を経て得ていたものであるから、同人を通じて依然として本件事故車の運行の支配・利益を有していたものと認められる。そして、訴外折笠と訴外野崎との関係は全くの第三者ではなく、共通の利益によつて結びついており、加害車を利用することについて、両者には少なくとも暗黙の了解があつたものと言わざるを得ない。そうすると、加害車がたまたま折笠が知らない間に野崎に運転されたと仮定しても、かりに野崎が折笠にその旨を告げたならば、折笠は野崎が運転することを拒絶したであろうとは考えられないから、本件は、泥棒運転ないしこれに類するものと同一視することはできず、被告合資会社は本件事故につき自賠法三条の責任があるといわなければならない。

次に被告根本が被告合資会社の無限責任社員であることは当事者間に争いがなく、後記のように被告合資会社は解散し、本件債務完済の資力があるとは思われないので、被告根本は同社と連帯して原告らに生じた損害を賠償する義務がある。

次に、成立に争いのない甲第一号証の一、二、第六号証、乙第一号証と被告株式会社代表者本人尋問の結果によれば、次の事実が認められる。

すなわち、被告合資会社は昭和三九年一月六日設立し、被告株式会社は昭和四二年七月三日設立し、いずれも貨物自動車運送業を目的とするものであるが、被告株式会社については運送業の許可が下りず、そのため営業を開始することができないでいた。被告株式会社は、当初は「鹿島運輸株式会社」という商号であつたが、昭和四三年六月一八日運輸省の指導により「山根運輸株式会社」と商号を変更した。そして、昭和四四年一一月三〇日被告合資会社と被告株式会社との間で陸運局長の認可を条件として合資会社の営業全部を約三〇〇〇万円で株式会社に譲渡する旨の契約を締結した。昭和四五年六月一六日右営業譲渡につき名古屋陸運局長の認可がなされ、右契約は発効した。被告株式会社は同年七月一日その商号を再び「鹿島運輸株式会社」と変更した。被告合資会社は右営業譲渡に伴い、同年六月二〇日解散した。

以上のとおり認められる。

右認定事実によれば、本件事故発生日である昭和四五年三月二二日当時は、被告株式会社は未だ貨物自動車運送事業を開始しておらず、従つて、本件事故車の運行供用者であつたとは認められない。訴外根本幸英は、右両会社の代表者を兼務しており、また、本件事故に際し、加害会社として被害者遺族に提供された香でん包には、「鹿島運輸(株)」と記載されていたとしても(甲五号証の一ないし五参照)、それだけでは右認定事実を左右するに足りない。従つて、被告株式会社が本件加害車の運行供用者である旨の原告らの主張は採用できない。しかしながら、前記認定事実によれば、被告株式会社は被告合資会社の営業を譲り受け、その商号を続用した者として、被告合資会社の営業によりて生じた前記債務につき弁済の責に任ずるものといわなければならない。被告株式会社が「鹿島運輸株式会社」と商号を変更したのは、営業譲渡の効力発生の一五日後であるが、これは商号変更手続に要する期間と考えられるし、「株式会社」と「合資会社」との名称の差異は、会社の組織が異ることによるやむを得ない差異であるから、これをもつて商号続用の事実を否定する理由とはなし得ない。本件事故により被告合資会社に生じた前記債務は、前認定の事情の下においては、なお被告合資会社の「営業ニ因リテ生ジタル債務」というのを妨げない。

三次に原告らに生じた損害について判断する。

原告らに生じた損害の計算関係については別紙のとおりである。

原告ら主張の相続関係については被告らは明らかに争わないからこれを自白したものとみなす。そして、成立に争いのない甲第四号証の一ないし四、および弁論の全趣旨から、原告ら主張の各被害者四名の収入関係が認められ、又葬儀費用について二〇万円程度の出捐を要することは経験則上明らかであり、又被害者一人当り、五〇〇万円の自賠責保険が支払われていることおよびこれを相続分に応じ充当していることは原告の自陳するところである。

五よつて原告らの本訴請求中別紙計算書記載の各相続分に応じた金員およびこれに対する記録上明らかな訴状送達の日の翌日である昭和四五年一〇月四日から支払済に至るまで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める部分は理由があるので認容し、その余の請求は失当であるから棄却することとし、訴訟費用については民訴法八九条、九二条、九三条、仮執行宣言については同法一九六条に従い主文のとおり判決する。

(坂井芳雄 新城雅夫 佐々木一彦)

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